お世話になった看護婦さんは,看護師長さんになっておられた。

 朝から降ったり止んだり、気温は25℃のまま。
 昨日は腎臓結石の衝撃波治療の日。10時には終わり、腎臓付近の鈍痛も感じないので、少し足を伸ばして大腸癌で入院していた病院へ行ってみることにした。退院してから5年ぶりである。
 執刀医を訪ね、今日まで元気にしている状況を報告しようと、外科の外来窓口に行ってみたが、案内掲示板にその医師の名前が見当たらない。窓口の女性に訊ねると、「退職されて、今は開業されている」とのこと。帰りかけたが、入院当時とても親切にしていただいた看護婦さんにも、お目にかかりたいと窓口の女性に訊ねると、多忙の中を院内のあちこちに電話し探し当ててくれた。
 その人は、頑固な便秘が続き検査入院していた時の、消化器科の看護婦さんで、その時すでに癌であることを知って落ち込んでいたボクの話し相手になって何かと励まし、更に手術して1週間ほど経った頃、外科病棟で入院しているボクを見舞っていただいたのだった。 
 ボクの待つ階まで、わざわざ降りて来られた彼女は、ボクを見るなり「お元気そうで」と破顔一笑、ボクが話した詰まらない身の上話を忘れず、細かいことまで憶えていて下さった。嬉しかったなぁ。いただいた名刺には「看護師長」と記されていた。
 ミシェールの写真を貼り付けた名刺を渡して、「是非、二人暮らしの我が家に遊びに来て下さい」とお別れしたが、ボクには久しく心弾む日であった。