ボクはイスラームに改宗したが、妻はカソリック信者で召天した。

 イスラームの我が家に、十字架とマリア像の祭壇がある。妻はカソリック信者で亡くなり、カソリック教会の地下に安置されている。ムスリムに改宗したので、今年の「死者の日」の追悼ミサには、子供たちだけが参列した。

 祭壇に花を手向けるが、今時分の切花は長持ちして2週間程は「しゃきっと」している。就寝前には、「おやすみ」と挨拶をして祭壇の扉を閉め、朝起きると「おはよう」と声をかけながら祭壇を開ける。
 神は絶対唯一の存在と信じるので、十字架やマリア像を崇拝したりはしないが、妻がそこにいると思えば、祭壇が我が家の、そしてボクの心の中心にある。
 イスラームに改宗してからと言うもの、バッハの宗教曲を聴く機会がなくなったが、久し振りに『バッハ:マニフィカート』を聴いてみようと、アーノン・クールのものを用意した。