2,3日もすれば庭の雪は消えるだろうが、被災地の悲しみは消えない。

 ミシェールとウォーキングをする頃は田圃の上に氷が張っていたが、今日は暖かくなると予感させる陽射しの温もり。
 この分だと庭の雪も消え、来客は勝手口でなく、デッキの前を通って玄関から家に入って頂けそうで、所々に庭の地肌が見え、大地からも春の温もりが伝わってくる。
 
 厳しい冬が長く続く雪国では、春が来た喜びは一入であるが、被災地の皆さんの消えることのない悲しみを思うと胸が塞ぐ。齢七十を超える人間には何一つできることなく、芥子粒ほどの義捐金を振り込み、神の恩寵を祈るばかりである。
 
 ボクはルッツエルンに暫くいたことがある。机の上にあるクレーの「教会のある街」は、クレーはスイスの人だし、これはルッチェルンの教会群に違いないと想像するのだが。

 クレーの絵は、詩を読むようだし音楽が聞こえて来そうだし、好きな画家の一人である。「お前の好きな画家は?」と問われれば、ルオー、シャガールそしてクレーの名を上げる。 クレーはニジンスキーとも交友があったそうで、この絵を前にしてルッツエルンを偲び、ニジンスキーの踊りに思いを寄せながら、ストラヴィンスキーの「ペトリューシカ」でも聴くとしますか。