エレナちゃんの素朴な質問に、オロオロと禄に答えられないローマ法王。

 庭の梅が散り初め、山桜に小さなピンクの芽が出た。

 ちんけな帽子を被り、ギンギラギンの衣装を身に着けたローマ法王は、7才になるエレナちゃんの素朴な質問に、エレナちゃんばかりか大人にも理解できるようには答えられなかった。
 このベネディクト16世という法王、以前はラッツィンガー枢機卿と名乗り、「解放の神学」をはじめ、カソリック教の改革運動を辣腕をふるって、ことごとく壊滅させた人間である。
 ボクは昨年5月、50年来のカソリック信者からイスラム教徒にコンヴァートしたのは、かねてから「父と子と精霊は三位一体である」というドグマに疑念を持ち続け、こんな破廉恥は男が(ナチの親衛隊員でもあった)カソリック教会のボスになったことが、直接のトリガーであった。
 そして今、イスラム教徒になって1年にもならないのに、「神は存在するのか」「宗教は不要なもの、どころか、害毒をもたらすものではないか」と思うようになった。
 キリスト教が言う「三位一体の神」も、イスラムが言う「絶対唯一の神」であろうと、人間が作り上げた幻想に過ぎないと思えるのである。
 今は亡き社会学者の友人が,一献傾けると言ったな。
「お前さん、長いことクリスチャンだが、『神の国が近付いた。悔い改めよ』とイエスと言う男がナザレの町を宣教して2000年になるが、世界がどう変わったかい?平和にでもなったかい?」
「次から次へと新しい病害が広がり、争いが絶えず、世界中でドンパチやってる戦争は全てが宗教戦争だとは言えないかい?」
「宗教なんて無用なものではないか、むしろ存在しないほうがいいとは思わんかい?

 キリスト教国にもイスラム教国にも理想はなく、血で血を洗うようなことを繰り返して「悪いのはお前だ」と非難し合って、いつ果てることもなく争い続けている。宗教は無力どころか有害だな。
 あいつに会いたい!