古川聡さん、宇宙ステーションから見える地球の上には、国境線なんて見えないでしょ?

 そうですよね。国境線なんてものがあるわけないですね。愚かしい人間は「それが存在する」と言って、国境線をめぐって戦争をするのです。
 貴方がウラヤマシイ。国境のない地球を遥か彼方から眺められるなんて!
 ガガーリンが宇宙の彼方から地球を見て、「地球は青かった」と言ったメッセージは、人間が発した地球に対する最高の賛辞でしょう。暗黒の宇宙に青く輝く地球という星に棲むボクは、『地球人』でありたいと思い続けています。
 ボクは生まれて直ぐ福井を離れ、今またそこに回帰して、延べ24年のあいだ福井に棲んでますが、故郷と言う想念はボクにはなく、福井の持つ精神的風土が嫌いで、愛着も何もないのに福井県民とか福井人と言われたくもないし、自分でそう思ったこともありません。
 「『日の丸』のために頑張る!」と、アスリートたちが言います。そんなことナンセンスと思いますが、人にはイロイロあっていい。マージャン用語で恐縮ですが、「世の中、チンイツ清一色)では面白くも可笑しくもない」ですからね。
 「ニッポン、ニッポン!」と手拍子を打って応援する若い女性の姿など見ていると、「やがてこの人たちは、『ニッポンのお母さん』になる人たちなんだ」と、ボクは正直言って暗澹たる気持ちになりますが、まぁ年寄りの世迷言というものでしょう。
 日本人でありたいとは思わないボクは、グアテマラに7年棲んで永住権を取得し、今度はグアテマラの国籍を取得すると考えていた矢先、大腸癌が発症その希望は頓挫してしまいました。しかしまだまだ諦めたわけではありません。
 大学のゼミで一緒だったボクと同い年の男は、2年前に25歳若いインドネシアの女性と再婚して、シンガポールに移住を考えているようで、未だにフットワークも軽やかなものです。
 ボクは先を越されたようで悔しい思いをしてますが、一人の地球人として、死ぬまでは生きているわけですから、これからも自由闊達に生きていたいと思う、性懲りもない年寄りが、この福井の山里にいます。
 古川さん!お役目を果たされて無事帰還されることを、心より願っています。