「犬」を何故「わんこ」などと言うのですか?「イタグレ」とは何という言い方でしょう!

 飼い主でない人が、「犬」を「わんこ」と言っても、ボクはメクジラを立てませんが、犬と一緒に暮らしている人が「うちのワンコは」と言うを聞くと、ボクは何時も「この人、自分の犬に愛情を感じているのだろうか」と思いますね。
 犬は「わんこ」ではないでしょ。「犬(と言う生き物でしょう)」でしょ。「××と呼ぶ犬」でしょう。それを何で「わんこ」などと言うのですか。
 まさか、「ワンと鳴くから」ですか?「ワンと鳴く子」と愛情こめて言っているとでも?
 冗談ではない。犬は「ワン」と鳴いたりしません。人間には「ワン」と聞こえるだけのこと。犬は何かを伝えたいために発声しています。それが人間には「ワン」としか聞こえないのです。腹がすいた、水が飲みたい、小便が出そう、側に来ないで、痛いよ、嬉しいよ、と様々なことを伝えているのです。人間には犬語が分からないだけのこと。
 「ワン」としか聞こえない彼らの声から、そのメッセージを読み取ってやるのが、飼い主の愛情と言うものでしょう。それを『「ワン」しか鳴けない言えない子』、と言っていいものでしょうか。
 ボクは「犬」を「わんこ」とは絶対に言いません。アメリカ映画なんかで、余り柄の良くない連中が、イタリヤ移民たちを「イタこ(イタ公)!」と蔑んで言うのを聞いたことがあるでしょう。「わんこ」という言い方は、「イタこ」と言う侮蔑の言い方と、どこかで繋がってはいませんか。
 イタリアン・グレーハウンドを何と言うことでしょう、「イタグレ」と言う人がいるじゃないですか。「イタグレ」という言い方に、ボクは一片の愛情すら感じられないのですが、皆さん如何お感じでしょうか。
 ペット・ショップやトレーナーの世界で、略したり或いは業界用語として「イタグレ」と言うのかも知れませんが、飼い主までもが「うちのイタグレは」などと言うのを聞くと、悲しくなってしまう。
 「我が家にペットがいまして」と言う人がいます。ボクはペットと暮らす人なんていないと思ってます。「セキセイインコがいます」「犬がいます」のです。命あるものと共生しているのですよ。お互い心通わせながらね。