切り花は、夏の今時分は1週間とモタナイが、

 冷蔵庫が空っぽになった。昨日、出掛けようとしていたら物凄い雨で、昨夜と今朝は冷蔵庫にへばり付いているようなもので済ませたので、いよいよ空っぽ。食い物が無くなった。 
 昼前、「連れて行ってェ」という顔付きのミシェールを置いて、スーパーまでショッピングに行く。大体1週間分ほどを纏め買いするので、メモに書いて行くのに抜けがあったり、余計な物を買ったりするのはどうしたことでしょう。
 花の好きなカソリック信者だった妻の為に、祭壇の遺影に花を手向けることにしているが、時々取り替えるのを忘れて、すっかり萎んでいたりする。
 毎朝、起きると先ず祭壇の花の水を取り替えるが、それでも暑い今時分の切花は、いいとこ5日の命、1週間とはモタナイ。
 花の売り場は、レジの直ぐ横にある。ボクはいつも、キレイで優しい女性のレジに、他のレジが空いていても、並んで待っている。「いい年をして!」なんて言い給うな。男は幾つになっても、キレイな女性がいいに決まっている。
 花を取り上げて計算する彼女に
 「花も今頃は長続きがしなくてね」
 「何日ぐらいモチマス?」
 「よくて5日かな」
 彼女は顔を上げて、優しく微笑んだ。
 ボクはルンルンの気分で、家に帰ってきた。