大雪の恐れもなくなり朝から陽が差して、ホロヴィッツを聴けば春の気分して。

 ここ数日は暗い空から雪が降り続いて、暗澹たる気持ちになっていたが、今朝は7時頃から雲一点ない晴れ間が広がり、リビングの中まで陽が差し込んで、柔らかなホロヴィッツのピアノを聴いて春気分になっている。
 ガレージのフラットな屋根に積もった1m程の雪が気になるが、この分だと除雪された道路の上に残る水溜りも消えて、ミシェールとする昼過ぎの散歩はルンルン気分だろう。
 昨日は粉雪の舞う中を、数えて30回目になるスイミング教室に行って、この地方の方言を一つ覚えてきた。
 プールの中で、ボクの直ぐ横で体操をしていた老婆(失礼!)が足を滑らせて、「アババするかと思った」と言うので、「アババするとは何をすること?」と訊けば、「この辺では、溺れることをアババすると言うのですよ」と言う。「子供の頃『川で泳いでくるよ』と親に言えば、『アババしないように気をつけるのよ』と言われたもんです」と。
 小学6年になるまで横浜にいて、味も素っ気もない標準語の飛び交う中で大きくなったボクは、夫々の風土の中で生まれ育まれた、何とも名状し難い「趣のある」方言に惹かれる。
 こちらに来て最初に覚えた方言は、「そうだ、そうだ」或いは「その通りだ」という意味で使われる、「ほや、ほや」。
「君の言う通りだよ」と言われるより、「ほや、ほや」と言われたほうが、『ボクの言ったことに納得してもらえたな』と言う気分になるが、如何なものでしょう。