夜来の風でデッキの上に欅の落葉が、エントランスの上には栗の実が落ちて、秋は深まり行きます。

 かさこそと落葉の舞う音がして、デッキの上に欅の落葉が舞います。エントランスの徑にも栗の実が落ちて、秋は深まって行きます。
    
    
 そのうち庭の花梨が握りこぶし大の黄色い実を付けることでしょう。ここ暫く紅葉までの間が、ボクの一番好きな季節。朝夕、ミシェールとする山里の散歩は、秋の冷気に包まれ薄汚れたボクの命が洗われる気がして、「生きていてよかった」と、しみじみ思う。
 昨日、内科医をしている友人が来て
 「食べ物のおいしい季節になったな。『食欲の秋』とは良く言ったもので、夏の間の疲労を恢復させるため栄養を補給するよう、体が求めているんだ。栄養価の高いものを摂らないとアカンでぇ」と言う。
 「ボクは年中、毎日と言っていいほど同じものを食ってるな」
 「それは良くない。栄養のバランスのためには、いろんな食材を摂ることが必要だよ」
 「エスキモーだのアマゾンの原住民など、年中同じ物を食ってるじゃないか」
 「あいつたちと、ずうっとモンスーン地帯に住み豊富な食材を摂取して来た我々とは、インプラントされている遺伝 子構造が丸で違うんだよ」
 と言うもので、毎日朝はコレで、昼はコレ、夜はコレと、年がら年中同じものを食ってるが、大した病気もせず元気で生存してると言えば、
 「いずれ、そのツケは払わにゃならんぞ」
 「バカ言うなよ。80になってピンピンしてるのに、そのうちツケが回る?結構だねぇ。望むところだ」
 と減らず口を叩いたが、1合の酒でいただく粗食の旨いこと。粗食万歳!