シャンプーしてキレイになったミシェールを連れて、天守閣に登ってきましょうか。
予報どおり晴れ渡った秋空です。ミシェールはシャンプーして輝いている。未だ紅葉には間があるが、ミシェールを連れ久し振りに大野城の天守閣に登ってきましょう。
ボクの気配で車に乗せてもらえそうと分かるのか、もうミシェールは気分昂揚して車の側を離れない。
城の下の大きな駐車場で、3人連れの女性から言葉を掛けられた。
「昨年の今頃も、ここでワンちゃんにお目にかかりましたよ。相変わらず大きくて、優雅で素敵なこと」
「ああ、そうでしたか」
「何才ですか?」
「7才ですからボクが言ってることは大抵は判るようで、もはや以心伝心ですよ」
「キレイにしてもらって貴方、気持ちがいいでしょ?シャンプーするのも大変でしょう」
「4週に1回ぐらいしますか。たっぷり2時間かかりますね」
「ご自分で?」
「そうです。ドッグサロンに連れて行くと2万円もしますよ」
「そうでしょうね。私のとこの小さな犬でも1万円ですもの」
「貴女、写真を撮ってェ」
と、3人がケイタイで写真を撮りあって
「フサフサで気持ちがいいわ」とミシェールを撫でながら惜しむように別れたが、心温まる出会いであった。