8時15分、広島の方向の空をじっと見上げた。

 今日8月6日午前8時15分、広島の方向と思われる空をじっと見上げ、神も仏も霊の存在すらも信じないボクは、黙祷することなく「この瞬間、空はピカッと光り、灼熱の風が吹いて、戦争には何の罪科のない、数え切れない程の一般市民が焼け死んだ。ボクはこの人たちの犠牲のお蔭で、今日こうして此処に生きている」と、暫し身動ぎもせず涙を浮かべ立っていた。
 アレから68年、依然として世界には原爆が存在し核実験は続けられ、至る所で宗教が違う宗派が違うと殺し合って、地球上に平和はない。「地球の平和」とは、人間が抱く幻想に過ぎないのか!?
 何故か数年前に読んだ「地球が一つの村であったら(If the World Were a Village)」を読みたくなって、本棚から引っ張り出した。
 
 

ボクがこの本に惹かれるのは、単なる美しい夢物語、人々が心に描く理想をメルヘンティックに書かれているからか。
 こんなにもボクらは悲しい存在なのか!?