「去った者たちは、私たちと共に生き続ける」とヘッセが言います。

ヘッセは『人は成熟するにつれて若くなる』(草思社)と題されたエッセイ集で言います。

 『去ってしまった者たちは、彼らがそれによって私たちに影響を与えた本質的なものをもっ

て、私たち自身が生きている限り、私と共に生き続ける。多くの場合、私たちは生きている者

とよりも、死者とのほうがずっとよく話をしたり相談したり助言を得たりすることがる。』

 ボクは好きな此処を何度も引用しているように思う。
 殆ど毎日、亡くなった友と語らい、妻と談笑し相談したり助言を貰ったりする。彼らは生きている者より鮮やかにボクの中に生きている。
 さらにヘッセは続けます。

 『すべての者が死ぬ、すべての者が生まれる。何故なら永遠の母(大地)はすべての者を昼

(生)に返すからである。』

 ヘッセ(1877〜1962)の1955年頃の写真です。

            

 そして力強く、こう付け加えます。

 『過ぎ去ったことにこだわったり、それを模倣したりすることが私たちにとって重要なので

はなく、変化に対応できる能力をもって新しいことを体験し、力を尽くしてそれに参加するこ

とが必要であろう』と。

 ボクは行き詰ると、此処に立ち戻ります。