デッキの上で寝転がっている、5才になるミシェールです。


 ミシェールは4年前、1才と1ヶ月になる素晴らしい血統書を持参して、多治見から我が家にやって来た。
 自分が出自も定かでない人間なもので、犬の血統なんていうものは金持ちが有難がるブランド志向に過ぎないと背を向けて来たが、チャンピオンの血統とは、単に正統な骨格を持って、スタイルがいいとか、ハンドラーの指示に従順であるとかでなく、性格までチャンピオンらしく堂々として誇り高く優しく、文字通り心身の健全性までがインプラントされているものだと、つくずく感心させられている。
 よくサラブレットの血統が問題にされるが、長年かけて守られてきた犬のチャンピオンの血統にも、揺ぎ無いアイデンティテーが厳然と存在すると、親・祖父母そして曾祖父母がチャンピオンのミシェールと四年暮らしてみて、本当にそう思う。
 ノーブルで優しいミシェールからじーっと見つめられると、、ボクの薄汚い人間性までが見透かされているような気がしてならない。