深夜、ラジオでTony Bennitt を聴いた。

桃の節句に10cmの積雪、こう言うのを「寒の戻り」だとか。春が来たかと思わせて、悪戯なこと。
 昨夜、妙に寝つかれず、枕元のラジオをかけるとトニー・ベネットを特集していた。ミリオンセラーになった、" I Left My Heart In San Francisco"(日本では<霧のサンフランシスコ>と訳されているが)など、トローンとした歌い方で余り好きではないsingerだったが、聴くにつれて良いんだな。
 1990年代の Bill Evans,Dizzy Gillespir とのコラボレーションなど初めて聴いたが最高。そんじょそこらにいるPOP歌手ではない。ジャズの大御所と互角,何らひけをとらない。
 ジャズ歌手に枯れて枯淡の味がするなんて言えば笑われそうだが、聴く者の心にしみとおる歌声に聴き惚れてしまった。年輪を重ねることはこんなに素晴らしいことか。
 番組の最後に、再度1960年代の曲が流れた(悲しいな。聴いて10時間も経ってないというのに、もう曲名を思い出せない)が、声に艶と輝きが戻り(ボクにはカルロスな時間にいるトニーである)、今一度トニーベネットの世界が鮮明に広がった。
 まことに小憎らしい番組編成でありました。
 
 ここ福井に移り住んでから一度も我が家の装置で聴いたことのない、Dizzy・Gillespir を聴いてみましょうよ。