TVで館野泉さんが演奏する『ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲』を聴いた。

 館野泉さんをボク如き者が紹介することはない。
 ラヴェルの曲も凄いが、館野さんの左手だけの演奏も凄かった。
 スクリャービンにも左手のためのピアノ協奏曲があるが、ボクは有名なラヴェルのものを初めて聴いた。左手だけのピアノがオーケストラと紡ぎ合って、此の世のものとは思えない悦楽を醸し出していた。「ラヴェル万歳」、「館野さん見事」としかボクには言えない。
 キラキラと輝く透明な谷川のせせらぎのような、左手だけが奏でるピアノの音を聴いていると、随分昔に聴いたジャン・ドワイヤンのピアノを思い起こされた。旧いアナログ録音で聴くドワイヤンのラヴェルは、館野さんが弾くピアノのようです。