雪解けが進み、無残な柘植が現れた。まるで自分の姿を見るよう。

 朝から日が照り雪が解けて、雪囲いをしなかった柘植が、見るも無残な姿を現した。
 くしゃくしゃに折れ曲がって柘植とは思えない哀れな姿に、己が姿が重なり合って言葉もなく立ちすくんだ。

 この度の地震を、もはや「想定外の大地震であった」とは言わさないぞ。現実に発生したのだから。
 世界中から湧き上がった反対を押し切って、安全性を喧伝して建設した原発が、これほど脆弱なものであったとは驚くほかはない。日本にある全ての原発が、マグネチュード9以上の地震に耐え得るものでないなら、直ちに原発は廃棄すべきである。
 津波から守る防潮堤などの設備は全面的に改築して、家作りも都市構造も地震大国・津波大国としての万全の備えであるために、日本の国土を根こそぎ作り変える、長いスパンの国家計画が今こそ樹立されるべきだろう。
 この美しい日本を作り直すために、きっとボクにも出来ることがある。