花が咲かなくなって、立ち枯れしたかと思っていた花水木が、今朝良く見ると芽を吹いている。

 被災地には、また大雨と土砂崩れの危険予報が出ている。「神などいない」と思うようになったので、怒りの矛先を何処に向けようか。
「悪い日ばかりが続くことはありません」。月並みですがボクが言えることはこれだけ。
 桜の木の傍に、4株のクロッカスを植えてから何年になるかな、春先には花を咲かせる。
 
 北陸の寒い冬を中米のグアテマラで過ごし、春には日本に帰って来るという暮らしを8年ほど続けたが、初めてグアテマラから帰国した時のこと。
 タクシーを降り家の中に入ろうとして、未だ雪が残る庭にクロッカスが花を咲かせているのを見た。平素は手入れも何もしてやらず、顧みることもなかったクロッカスが、「お帰りなさい」とボクを出迎えてくれている気がして、嬉しいやら「ごめんね」という気持ちで、涙が溢れ出て、暫しそこに立ち尽くていたことを思い出す。
 1株だけ鉢植えにして、デッキの上に置きましょうか。