福井県知事の言ったりしたりすることに気を許してはならない。「虎の威を借る狼」に過ぎない。

 「原発再起動に同意しない」とか、「核燃料税は原発停止中も対象にし、更に17%に税率を上げる」と見得を切る福井県知事を、勇ましい原発反対のリードオフマンのように思ったら大間違い。やがて梯子を外されてエライ目に遭いますぞ。
 福島原発への国民的な拒絶反応の最中に、日本の原発の吹き溜まりになっている福井県の知事が、県民の安全が担保されない限り、現在休止中の原発を再起動させるわけにはいかない、という決意表明に見えるが、そんな見え見えのパーフォマンスに騙されてはならない。
 原発吹き溜まりの首長として、「先ずは先頭に立って国に物申しておかないと、鼎の軽重が問われる」と考えているだけのこと。やがて民主党であれ大連立であれ、従来と同じトーンで「万全の対策を講じます」と言い出せば、「よろしくお願いします」になる。イタリアやドイツのように「原発NO!」と、断固たる意思表示をしているものじゃない。
 関電に対して「原発の停止中でも税金を払え。12%から17%に上げるが文句があるなら、今後のことは知らんぞ」と、真に盗人猛々しい限りとは思いませぬか。「福井は原発べったり。あんたのところの税金で県政が成り立っている。ヨロシク、タノンマッセ」と言ってるのだ。だから関電も「ハイ承知いたしました」と、二つ返事で「OK」と言うわけ。
 そうなりゃ「福井から原発をなくせ」という声には、「これだけの税収入があり、我々は原発の恩恵を受けている」と、錦の御旗を振りかざせるというもの。歴代の県知事と「同じ穴の狢」何も変わることのない今の知事が、突然変異するわけがないじゃないですか。
 県民の皆さん!
 福島原発に端を発する原発反対の大合唱に迎合した、「虎の威を借る」見せかけだけのパーフォマンに、ユメユメ気を緩めてはなりませぬぞ。