近頃はピアノ曲と弦楽四重奏曲しか聴かなくなっているな。老いるとはこんなことでもあるのか

 台風6号が西日本に上陸するとかしないとか。朝から雨が降ったり止んだり、二階の天窓を二つとも閉めてきた。いずれも雨がポツリとでも来れば自動的に閉まるようになっているが、ボクはそんな電気仕掛けを信用しない。
 今夏はクーラーを絶対使用しないと決めているので、今朝の涼しさは有難い。10時になるというのに室内温度は24度。台風にもこんな功徳とやらがありました。
 最近、「近頃はピアノや弦楽四重奏ばかり聴いているな」と気が付いた。編成の大きいオーケストラ曲より室内楽ピアノ曲が好きで、聴くといえばこういった曲が多かったが、オペラやらシンフォニーなど殆ど聴かなくなってしまった。
 大編成でマッシーブな音は、少し暑苦しいので自然と避けているかとも思うが、食うもの・着るものなど、「いつも同じものばかりだから、今日は変わったものを」とは考えなくなったな。いつも同じものを買い、同じものを選び出して着ている。
 これって典型的なエイジング・シンドローム(そんな言葉はない?)かと、大いに憂鬱な気分である。
 若い頃は、お洒落に気を使った方で、サラリーマンに共通したドブねずみ色の背広が嫌いで、少しでもブライトな色合いの、どこかにアクセントのあるものを着ていた。「年相応に」とか「年寄りらしく」と言うのが大嫌いで、年を取るにつれて、見るもの聞くものが灰色じみてくる中で、「何時でもボクはブライトにして、カラフルなナリでありたい」と思ったものだったが。
 フットワークの衰えから行動範囲がどんどん矮小化し、反射神経の衰えからレスポンスが遅れ、お洒落をする楽しみを喪失し、好きな音楽の選択幅まで狭くなって、本当にナサケナイことになっている実感が骨の髄まで迫る。
 こんなときに、傍に華やぐ人がいたらと思うのは、矢張り「無いもの強請り」ですか。
 今日も朝から「シェーベルグ弦楽四重奏曲」が流れるリビング・ルームです。