リビング・ルームにあるガラクタを紹介しましょうか(final)

 32畳大の二階吹き抜けのリビングにある、ボクのお気に入り"My Favourites"を紹介してオシマイにします。
 先ずは薪ストーブ。子供は床暖房がいいと言いましたが、ログハウスだから木にこだわって薪を焚きたいと、薪ストーブの輸入品から選んだのが、これ。

横に並んでいるスピーカー(高さ130cm、横100cm、奥行63cm)と比較すると、その大きさが分かると思いますが、一般住宅用のストーブでは、かなり大型ではないでしょうか。ノルウェイ製。

この大きなストーブで、朝の6時から夜の9時頃まで薪を焚くと、薪代が一冬10万かかる。エアコンのコストと比較すると、エアコンの電気代はアバウト8万、薪を屋外から運んでくる手間は要らないし、灰の後始末も要らないからエアコンは経済的でイージーなんだが、メラメラと燃え上がる炎を見つめているだけで、体の芯まで暖まるストーブが、やっぱりいい。最近は年のせいでしょう、吹雪の時なんざ家の中へ薪を運び入れるのが、だんだん億劫になって来た。
 次いで、リクライニング・シート。音楽は大抵はここで聴いている。背凭れが後ろに倒れるのでウツラウツラと。

これもノルウェイ製。パンフレットを辞書ヒキヒキ読んでみたら「子牛1頭分の皮革で作られている」とある。買う前に読んでいたら買わなかったかも。でも今は重宝して、ここに座らずに日が経つことはない。
最後に、いつもボクをハッピーにしてくれる音楽を聴く装置を。


いずれも超一流のものではありません。社宅から抜け出して、マンション住まいを始めて間もなく買い求めたもので、今からだと28、9年になるかな。妻は知り合って26,7年で逝ったしまったので、今じゃ妻より長い付き合いになる。
嘗て淡路島にいた頃、狭い社宅の6畳一間を占拠して、38cmウーファ入りの巨大な密閉箱の上に、開口部が120cmと100cmの曲りくねった中低音のホーンと、中音と高音のホーンが並ぶSPをガンガン鳴らして、家族中から白い眼で見られていた。
 ある日、はるばる海を渡って遊びに来た先輩が、6畳に山と積まれたSP群を見て「なんや工場みたいなところに住んどるな」と言った一言が、長年ボクに憑いていた「ハイファイの物の怪」を蹴散らしてくれた。
「今度、転勤し引っ越す時には、これらオモチャは全部整理して、『シンプル・イズ・ベスト』で行く」と、皮を一枚剝いだ気分になったものである。
 アンプは真空管アンプからマッキントッシュに、SPはタンノイのウエストミンスターに、レコード・プレイヤーはヤマハGT-2000Xにと、スペックと懐具合に相談しながら決めるのに2年。それから更に2年を要して、「ちょっとした外車が買えませんか」と珍しく妻から皮肉を言われて、大阪の日本橋で買って27,8年になる相棒は、もうボクの体の一部になっている。
 「ブログの隅に写っている家具を紹介して欲しい」と言う若い人に乗せられて、ガラクタの数々並べ立て、性懲りもなく長々と講釈しましたな。スンマセン。