お休みしていたら「元気ですか」とお訊ねを頂きました。有難うございます。

 生温かい風が吹いて、「今日も暑くなるな」とミシェールに話しかけながらウォーキングから帰り、PCに火を入れるとメールの着信を知らせる音がしました。暫く音信が途絶えていた方からで、「ブログにお休みが続いていますが、お元気ですか」と、ボクの安否を訊ねて下さるメールでした。
 ボクの拙いブログを読んでいて下さることが嬉しく、また少し面映い気がしていますが、ご親切に有難うございました。元気にしております。
 コメントを頂く方の中にも、ボクがブロブを中断していることを、訝しく思っておられるかも知れませんので、ここで現況などお知らせしようと思い立ちました。
 23年前、思いがけなく妻が召天し息子も巣立って独り取り残されてから、福井の山里にログハウスを建て芦屋から移り住んだのですが、ふらっと出掛けたグアテマラが気に入って、そこにも家を建て、冬の間だけ日本から逃げ出し、春になれば帰国すると言う暮らしを8年続けて来ました。その間、全く女気なく独身の自由と放縦を楽しんで、気が付けば70をとっくに超え今があります。
 その今は、静かな山里で自分が設計したログハウスに住み、読書と好きなコーヒーと音楽に囲まれ、ノーブルなミシェールと一緒に暮らせば、女性を恋しいと思うことなく、やりたいことをやりたい様にやって来て、「日々好日」「これぞ終わりを迎える日々」と思っています。
 ところが災難と言っては申し訳ないのですが、あたふたとしてブログを書く気にさせない、言えばボクの恥を曝すことになる、一つの出来事がありました。
 ゼミで一緒だった学友で、一昨年の暮れ二周り若い女性と再婚したのがいます。頻繁に音信する仲ではありませんが、8月の中頃に電話があって
「この間の同窓会(ボクは欠席した)で、お前さんのことが話題になってな。山の中で今も独りらしいな。知っての通り、50ちょっと出たばかりの女と再婚したが、お前のことを女房を話したら、同い年の友人を是非とも紹介したいと言っている。エラク乗り気でな、連れて行きたいと言ってるが、何時頃がいいかね?」
「俄かにそんなこと言われても困るよ」 
 青天の霹靂とはこのこと。連れて来た女性の顔を見てから断るなんて到底ボクにはできない。返事に窮したボクは、苦し紛れに
「実はな、今お付き合いしている女性がいてな」
「なんだ、それを先に言え先に。それでどんな女性だ?一度女房と見に行くからな。変な女に引っ掛かるんじゃないぞ。」
「うん、そのうち紹介するわ」
とボクは嘘の上塗りをしてしまった。
 ここからボクのあたふたと落ち着かない日々が始まったのです。「嘘を吐かない」と今日まで誓って生きて来た人間が、お節介な事とは言え、親切心で勧めてくれる友人に、心ならずも嘘を吐いたボクは、罪の意識と引っ込みのつかなくなった苦しみに責め苛まれ、ブログどころではなくなりました。
 必死に探して、結婚相手を求めるサイトがあるのを知り、そこにエントリーしました。さらに気に入った女性にはメールが出せる有料サービスがあると言うので、1ヶ月限定の登録をしました。とにもかくにも11月の10日前後までには、それらしい女性を見つけなければならないのです。
 エントリーして5,6日が経ったボクの感触では、恐らくボクの希望にマッチする女性に出会うことはないでしょうね。いい年して何と恥知らずなことをと、苦汁を飲むような気持ちで書いたメールにノーと言うレスポンスすらなく、不誠実なことですね。
 「君の勧めを断りきれず、心ならず嘘を吐いてしまった。付き合ってる女性なんかいない。ご免よ」
と言えば、ボクの肩の荷は下りて楽になるのは分かってますが、最低の男にもプライドがあって、なかなかそれが言えず呻き苦しんでいる今日この頃です。
 自分で蒔いた苦しみですから、自分で刈り取らねばなりません。
1日でも早く真実を吐露して楽になればいいものを、一ヶ月だけ辛抱してみようと決めています。これはもうバカですね。