ヘッセは言います。「去ってしまった者たちは、ボクら自身が生きている限りボクらと共に生き続ける」と。

 今朝は、この冬一番の冷え込みでなかっただろうか。 
 ミシェールと出掛ける時は暗くて気が付かなかったが、明るくなってから、降り積もった庭の雪の上に小さな動物の無数の足跡を見付けた。

 日が差して10時も回ってからの写真で少しぼやけてしまっているが、庭を行きつ戻りつした動物の足跡が残っている。狐と思うが何を求めて庭を徘徊したのか。
 辺りには何もない雪の頃だけでも、ミシェールのドッグ・フードを庭の隅に置いてやろうかと考えたが、彼等の自然な営みを混乱させてはいけないと諦めた。
 ヘッセがボクの知らない人に宛てた手紙の一節です。ボクはココを何度読んだことでしょう。
The dear departed,with the essential being that made its impact us,remain alive with us so long as we ourselves are alive.Sometimes we can even have a better conversation with them,consult with them,and get better advice from them than from the living.
 下手な日本語にしてみましょうか。
 『去ってしまった者たちは、彼等が生前ボクらに影響を与えた本質的なもので以って、ボクらが生きている限りボクらと共に生き続け、時にはボクらは生きている者よりも、死者とずっとよく話をし相談をし、忠告を受けることが出来ます』
 亡くなって20数年になる妻は、今も鮮明にボク中で生きているし、困っていたりすると懐かしい友から「お前さんには余計なことだろうが」と、アドバイスがあるな。
 ヘッセは何時もボクを力づけ、慰め、安らかな地に導き入れてくれます。