79才になって(5)

 田圃の上や道路端には雪があるが、カラカラに乾いた「大寒の日」の道路の上をスイミング教室から帰って来た。ミシェールと散歩をするには絶好の日和である。
 今日、プールでは今年の雪の少なさが話題になったが、来週から大雪の惧れがあるとかで、食材の買置きが必要になるかも知れない。
 思い起こせば、学生の頃は全学連のメンバーとしてに安保闘争に明け暮れて、この欺瞞に満ちた世の中、僕らの手で何とかしなければと若き血を滾らせたものである。 卒業し結婚してからと言うもの、社会の仕組みに組み込まれ物言わぬ善良な市民に変わり果ててしまったが、「人は全て平等。世に存在する差別が無くなり、世界が一つの村のようになって共に平和に暮せたら」と言う思いは、今も変わらずボクの中に現存している。
 世界中が戦争をやめようと、持てる軍備の全てを放棄し、莫大な軍備予算を国民の暮らしのために振り向けるなら、この星から飢餓と貧困は確実に消失するのだ。
 「福井の山里に独り住む、老い耄れの世迷言など何の為になる」と言われる方は、よもやおられますまい。わが家を訪ねてくる友人は、そんなことを言うボクを見て「『三つ子の魂、百までも」』とは、お前のことだな」と笑うが、「この愚直さ」死ぬまで変わらない。