梅雨の中休みか気持ちの良い晴れ間に、モジリアーニの画集を取り出した。

 久し振りの快晴。白内障の手術をして一週間が経ち、目の周辺の違和感も薄らいで「モジリアーニの画集」を広げると、彼が34才の時の写真が出てきた。

何枚かの写真が挿入されているが、気に入ったのがコレ。モジリアーニ、とてもいい顔をしている。
 夏には少し間がある新緑の今頃は、此の辺りでは一番の季節。嬉しい梅雨の晴れ間、モジリアーニに誘われて久し振りにシャンソンを聴く気になっている。好きな「ミラボー橋」でも聴きましょう。
 アポリネールマリー・ローランサンとの恋に破れ失意のうちに歌った詩に、レォ・フェレが曲をつけた、ボクが一番好きなシャンソンを挙げればコレ。
 「ミラボー橋の下、セーヌが流れ
  ボク等の恋が流れる・・・・・」
 ボクがミラボー橋を見たのは、もう34.5年も前のこと。妻や子供を日本に置いて独り海外出張中、何となくやるせない思いで眺めたミラボー橋である。
 
 ふと気が付いたが、モジリアーニ34歳の写真が1918年のもので、アポリネールはその同い年の1918年、38才で亡くなっている。その枕元には、マリー・ローランサンの名画『アポリネールと友人達』が架けられていたと。