津軽三味線の高橋竹山を初めて聴いた。

 昨日、プールに出掛けようとしていたら、オーダーしていたCDが届いた。帰宅してから聴きましょうと逸る思いで帰って来て、FMか何かで断片的に聴いた以外、纏めて聴くのは初めての津軽三味線である。
 
 1973年、東京渋谷のジャンジャンにおけるライヴ録音とある。ボクはジャンジャンを知らない。
 パラパラと20人足らずの拍手が聞こえ、竹山の津軽三味線が始まった。そして渋い声で弾き語りをする(それを「口説節」と言うそうな)。
 三味線からこんなに澄んで弾けるような音がするのかと、ボクは息を詰めて『津軽じょんがら』を聴いた。高く低く緩急自在、信じられないような音か弾け砕け、骨の髄までしみ通る。一度聴いたら忘れられない音である。
 高橋竹山のことは語り尽くされているので、ボク風情が何も語るまい。
 時に聞き取り難いところがある、会場の聴衆の笑いを誘う竹山のトークを、いずれはじっくり聞いてみたいが、今は津軽三味線が奏でる音に圧倒され、繰り返して聴いている。