秋は束の間、気付かぬうちに行ってしまいます。

     静かで透明な秋空に柿の実がなり

      かさこそと舞い落ちる枯葉の上に

      栗の実が弾けています

      鮮やかな朱色の掌を広げたように
       
      彼岸花が山裾を染め

      辺りはすっかり秋模様

      仄かに木犀の薫りして

      秋色一杯の秋は

      やがて何処かへ行ってしまうのです。