昨日、「要約筆記の講習会」に参加した。

 昨日、聴覚障害者のための援助活動の一環である「要約筆記」の講習会に参加したので、『79才にして女を恋ふる記』シリーズを中断して、その様子など紹介してみましょう。
 参加者は10足らず障害者の体験講話があり、何人かの指導員の話を聞いた。内容は、ほぼボクがイメージしていた通りで、接続詞だの感嘆詞などの話の枝葉の部分を「そぎ落として」、ポイントだけを拾い上げて簡潔にまとめるテクニックを教えるものであった。
 与えられた例題は簡単な文章ばかりで、言われるように参加者は「枝葉を切り落として、幹の部分を際立たせる」ように要約したが、いずれも核になる単語だけを摘み上げた大同小異の文章であった。
 それはそれで良かったと思うが、文章は論理的なところだけを取り上げれば、味も素っ気もない公用文のようになってしまう。「書き手」の感情や情緒を表している箇所を、「それは枝葉」と言って切り捨てていいものではない。
 多種多様な考え方を例証しながら、「それでも私は斯く思う」と結論されたところだけを要約しては、本当の真意は伝わらないでしょう。
 ハイグレードな要約が求められることがあるだろうな。語り手に共鳴し、その思想を良く理解して、豊かな文学的素養を以って、聞き手の心に響くような纏めかたを期待されることが。
 昨日の講習会はビギナー向きで、要約の基本的はセオリーを教えてもらった。まさしく「初めの一歩」を教わった。
 平素チンタラと冗長なメールやブログを書くボクは、昨日の講習会から何か諌められたような気がしてならない。