79才にして女を恋ふる記(7)

 勤めている、お店を持って何かやっている、資格か趣味を生かして目下奮闘中とか、そんなアクティヴな女性を探しています。例えばシングルマザーとして子供を立派に養育したとか、逆境を跳ね除け今は充実感一杯で頑張っているとか、そんな人と知り会って親しくなりたい。
 現役バリバリの女性から、何か経済的なものを期待するゲスな了見はボクにはない。そうではなく、世のシガラミの真っ只中にあって、喜怒哀楽の毎日を生き抜いている女性から、自己紹介したように俗世間から離れ仙人みたいに暮らしているにボクは、「今日は勤め先で或いはお店で、こんな嫌なことがあった」とか「こんな楽しいことがあって嬉しい」とか「こんな問題に出くわしたけど、どうしましょう」とか、実社会で奮闘する女性との会話を通して、ボクはきっとパワーを貰うでしょうし、禄でもないボクにも、一つや二つ励ましたり慰めたりできることがあると思いますね。
 話し相手に胸の内を打ち明けると、胸のツカエがすうっと無くなるというもの。二人で好きなコーヒーを飲みながら、静かな音楽を聴きながら、こんな語らいの時間を持ちたいと願うのですよ。
 「それは自分勝手な爺のエゴイズムだ」と、非難されましょうか。
 
 前庭に黄色の絨毯を敷いたような銀杏の落葉です。この上をサクサクと踏みしめて我が家を訪れる女性を、待ち焦がれています。