2013年になった。1933年生まれのボクは誕生日になると、とうとう、、、、。

 元旦は雪で明けた。何時もの通り6時起きで、降りしきる雪の中をミシェールと歩いた。
 下拵えをしてあった雑煮と、「黒豆」・「ごまめ」・「焼豚」・「ブリの照り焼き」と「数の子」、我が家の元旦の食卓にあるのは、いつもこれだけ。
 1合の酒を熱燗にして、いつもボクの前で微笑んでいる女房に杯を上げて、「新年おめでとう!」と挨拶をすることにしている。今年も同じようにそうしたら、にっこりと微笑を返してくれた。
 お屠蘇の酔いが少し冷めた頃、訪れる人もない筈の濡れ縁やエントランスの除雪をしたが、一晩で約20cmの積雪である。「年明け寒波」と呼んでいるようだが、かなり冷え込んで指先がジンジンする。
 正月定番になっている「ベートーヴェン弦楽四重奏曲」を何枚か聴いていると、昼になった。ワインと「お節料理」を食卓に並べたが、「数の子」が見当たらない、何処にもない。こんなところに置く訳がないと思うところまで探して見たが見当たらない。塩抜きをして大皿に盛って、食卓の上に置いてあった筈の、3が日の「数の子」が全て無くなっている。大皿は空っぽ。
 正月早々、大失態をやらかしたのだ。ボクが除雪している30分程の間に、ミシェールがペロリと平らげたに違いない。いつもは食卓の上に食べ物を置いたままにはしないが、「数の子は大丈だろう」と考えたのがいけなかった。可なりの量があったがミシェールは涼しい顔をしてるし、ボクの不注意だから叱るわけにはいかない。無念な思いを噛み締めながら、好きな「数の子」のない昼を済ませたが、これからの3が日、「数の子」なしか!
 「数の子」をツマミ食いしたミシェールは、もうぐっすりとオヤスミ。