オトコの選択:年令に抗って何が悪い!?(1)

 今朝、NHKのHPの冒頭に「オンナの選択:年令に抗って(あがなって)何が悪い」と言うキャッチ・フレーズを見たが、これに倣って今朝のブログのタイトルを「オトコの選択:年令に抗って何が悪い」として、ボクのイキザマを書いてみる気になっている。
 ボクはプロフィールにも書いたが、平成1年1月、55才の時に妻を失った。学校を出たばかりの双子の息子は、夫々ボクの足元から巣立って、芦屋のマンションに独り取り残されてしまった。
 「これからオトコ独り、何処で如何に暮らすか」の選択に迫られ、「山里にログハウスを建て田舎暮しをする」と決め、戦時中に疎開していた福井に移り住んで速いもので18年になる。その間、中米のグアテマラと日本との間を行ったり来たりの生活を7年程したが、今は日本に落ち着いている。半世紀にもなるキリスト教徒が、神や仏は人間が作り出した幻想に過ぎないと考えるようになって、教会に背を向け机の上から聖書が姿を消した。
 ボクは若い頃から、「何々らしく」が大嫌い。ボクはボク、人とは根元的に違う存在であり、単純にして明快、何があっても狼狽することなく品位を失わない、つまり『ダンディであること』をモットーに生きて来た。それは八十になる今も変わらない。だからボクは「年寄りらしくなければならない」と考えたことは一度もない。
 気に入った物しか着ないので、ボクの着るものはブライトなものばかり。会社勤めをしていた頃から「ドブネズミ色」の背広など着なかった。ボクの体つきや着ているナリを見て、大抵の人「80と言うのは本当ですか」と目を丸くする。
 車は運転するようになって以来、車ほど国の文化を色濃く映し出しているものはないと思うから、左ハンドルの外車ばかりに乗っている。未だ嘗て、日本の文化を感じさせる日本車にお目にかかったことがないのが悔しいね。
 ここ10年になるかな、外で食事をしたり遠くへ旅行したことがない。そんな金があれば本やCDや上等の酒を買うな。どんなに粗末な酒の肴であっても、好きな音楽を聴きながら旨い酒や年季もののウイスキーでいただくなら、それはもう最高のご馳走でしょう。
 毎晩、ほんの少しだけ身分不相応な酒をいただくことにしている。酒なら1合、ウイスキーならW2杯、焼酎なら5酌、ワインならワイン・グラス2杯をいただけば、独り住まいの我が家のそこいらが、バラ色に光り輝くのですよ。