信号のない円形交差点が本格導入されるとか。いいねぇ、大賛成だな。

 信号機のない円形交差点(ラウンダバウト:round・a・bout)が日本に本格導入されそうで、ボクは「我が意を得たり」と思っている。
 信号がないから、車は交差点入り口で一時停止し左折で進入する。時計回りに周回し、目的方面へ出て行く。左折のみのため車の動線が交わることがなく、事故の減少にも繋がると期待される。
 ボクは初めて「ラウンダバウト」を見たのはロンドンにいた頃、その後フランスでもドイツでも見た。道路の狭い交通量の多い都市部には不向きだが、土地の広い郊外であれば信号機の設置・維持のコストを削減でき、停電の影響を受けないので災害時などの交通整理の必要もない。
 さらにボクが惹かれるのは、信号に支配されることなく決められたルールを守りさえすれば、自らの判断で車を走らせる痛快さ、これって堪らないではないか。
 赤色は「止まれ・動いてはならない」、青色は「走り過ぎてもいい・発車としてもいい」と命令されるのである。ちょっとでも信号の命令に違反すれば、罰金を取られるか事故に遭遇するかである。
 前後・左右の見通しのいい広い交差点で、どう考えても数10秒は人も車も来ないと満々の自信を持って認識できる交差点であっても、信号が「赤」ならバカずらして止まってなければならないのだ。こんな事ってあっていいのか!
 長いこと物言わない信号に支配され「これで当り前」と馴らされてしまっているが、ここいらで人間の尊厳を取り戻そうじゃないか。
 信号のない円形交差点でルール違反をすれば、交差点は大混乱に陥り大渋滞を来たすだろう。青・赤の信号を守るより、更なる遵法精神が求められるのだ。
 信号に規制されているからでなく、交差点の機能を自分たちで守るという、モラルを働かせる余地がボクらの手の中にあるのだ。
 この優れた人間が、物言わぬ電気仕掛けの信号ごときに支配されていてどうする!?
 ボクは信号のない円形交差点の登場を心待ちにしている。