今日は「♪降るとも見えじ春の雨」の『天長節』。

 文部省唱歌「四季の雨」の一節です。
 逝く春をいとおしむかのような雨が降る『天長節』の朝です。「『天長節』とは何のことか」と、お訊ねになるのですか?その昔、僕らが子供の頃には「天皇誕生日」を「天長節」と言いました。
 
         一.降るとも見えじ春の雨、
             水に輪をかく波なくば、
             けぶるとばかり思わせて。
           降るとも見えじ春の雨。
 
         二.俄かに過ぐる夏の雨、 
             物ほし竿に白露を
             なごりとしばし走らせて。
           俄かに過ぎる夏の雨。

         三.おりおりそそぐ秋の雨、
             木の葉木の実を野に山に
             色様々に染めなして。
           おりおりそそぐ秋の雨。
    
         四.聞くだに寒き冬の雨、
             窓の小笹にさやさやと
             更け行く夜半をおとずれて。
           聞くだに寒き冬の雨。

               「尋常小学唱歌(六)」(大正3年6月)

 昔の歌を懐かしみ美しい日本語に誘われて、小学唱歌を紐解いています。
 終日、雨のようですね。こんな日はシューベルトの歌曲を聴きましょうか。