油井という宇宙飛行士は、自衛隊の「お下がり」だってね。

 自衛隊員だった男が、宇宙を飛ぶようになったのか!?
 自衛隊の存在すら認めないボクは、自衛隊員や元自衛隊員だった人間が、虫唾が走るほど嫌いである。
 学生の頃は、今時分の現役の学生すら知っているものが少なくなってしまった『全学連』のメンバーだった。学校そっちのけで連日連夜、「安保反対!ヤンキーゴーホーム!自衛隊いらない!平和憲法を守れ!」とシュプレヒコールを叫びながら、大阪の曽根崎警察前から難波の高島屋前まで、御堂筋一杯に広がってデモに明け暮れたものである。
 卒業前の就職期には、ぬけぬけと「全学連知りません。デモに参加したことなど一度もありません」と言って大会社に入り、組合運動には一切関わらず、ひたすら勤勉実直な模範社員で定年を迎えたが、全学連当時に身に染み込んだ「平和主義」を、82才になる今日まで、かなぐり捨てたことだけはない。今なお、『憲法9条を守れ!沖縄の米軍基地を撤去せよ!自衛隊は要らない!』と言うスタンスは何ら変らない。
 だから、徴兵ではなく自ら志願して自衛隊に入隊するような人間を、ボクは許さない。油井なる人物がどんな理由で自衛隊員になったか知らないし知りたくもないが、何故に自衛隊の飛行士が宇宙飛行士になったのか知る由もないし、また知りたくもない。ただ、自衛隊の飛行士だった男が、宇宙飛行士になる時代になったかと驚き、暗澹たる気持ちになるのである。
 60代以上の方なら、ご記憶があるだろうが今から40年ほど前は「自衛隊とは一緒に防災訓練をしない」と言って、自衛隊が参加する防災訓練には参加しない地方自治体が、全国の随所にあったものである。
 ところが今はどうだ、自衛隊は災害復旧に欠かせない有難い存在として歓迎され、元自衛隊の飛行士が宇宙飛行士として、全国民の熱い視線を浴びながら宇宙の彼方を飛び回っているのだ。
 かつては自衛隊の飛行士で今は宇宙飛行士になった我が息子を、誇らしげに「ヒーローになった」と嘯く父親に、ボクは或る種の憐憫の情を抱くが、皆さんはどんな感想をお持ちでしょう。
 繰り返しますが、ボクは自衛隊の存在を認めない。どんな理由があって自衛隊に入ったにせよ、ボクは元も現も全ての自衛隊員を好きになれない、嫌いだなぁ。だからボクは油井飛行士のTVなど見ない。