7月は雨で始まった。優しい雨音の中で「ショパン:エチュード」を聴いていると、ミシェールがボクの側に来て横になった。

 予報通り7月は雨で明けた。6時のミシェールとする朝歩きの時は雨はなく、帰って暫くすると降り出した。
 朝食のメニューは何時も同じ。厚めにスライスした食パン2枚にバターと蜂蜜を塗って、小さめのジョナサン・ゴールド1個に、牛乳500ml。運動量の少ないボクには多めの朝食である。いつも最後に残ったリンゴ一切れをミシェールにやるが、心得たミシェールはボクの足元に蹲って、リンゴ一切れを今か今かと待っている。
 食事の後片付けをし、グアテマラ・コーヒーを淹れて「こんな雨の日は、ショパンか」と、タチアナ・シェバノヴァのピアノで「24のエチュード」を聴いていると、何を思ってかミシェールが側にやって来て、どかっと横になったので写真を撮った。
 
 写した写真を見ると、ペロッと赤い舌を出している。うちに来て6年のミシェール。ボクらは最早、以心伝心の間柄である。