2年通ったプールには昨日で行かないことにした。

 昨日はボクがプールに通う最後に日にした。思えば2年間、毎週2回、1時間15分、泳ぎの基本を教わった。これからはプールでの運動量を補う運動を他でしなければならない。毎日のウォーキングの距離を延長し、自家製の体操を倍増することでしょうか。
 運動量を補完することと、独り暮しで世間と没交渉の暮らでは益々世の中から取り残される、何とか同世代の人たちとの交わりたいと通い出したプールだった。
 2年が経って、少しは泳ぎのコツを会得したかなと感じているが、冗談の一つぐらい言えるようにとボクの方から積極的に話し掛けても、気楽に話ができるようになったのは、ほんの2,3人で他の人は取り付く島もなく、禄に挨拶の会釈もしない人ばかり。
 この辺の60も越えた人は、寡黙にして人見知りをすることを美徳にしているのか、それともボクが言葉を交わすのも嫌な男に見えるのか、どちらかだろう。
 2年でプールを断念したのは、ボクにとって開かれた唯一の「社会の窓」になるだろうと期待が、見事に外れたことだった。運動する気ならプールに通わずとも出来るが、人と交わるには何かの集まりに参加することしかない。閉鎖的で排他的な地域では、容易に他所者を受け入れたりしないものだと、イヤと言うほど知らされた。 
 孤独に生きましょう。その希求で山里に独り移り住んだのではなかったのか!
 今またボクは臍を噛んでいる。
 夢の続きは明日に。